こうあるべきなED

Key『智代アフター』ネタバレ感想スレ part2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1132928027/745-


以下甜菜


745 名前:智代アフター脳内補完ハッピーエンド[sage] 投稿日:2005/11/27(日) 16:57:05 ID:4YHhJPpW0
「・・これ、俺死んでないか?」
智代(と思われる)の後姿と夕焼けのエンディングを見ながら俺はつぶやく。
「ほら、やっぱり悲劇物って受けるからさぁ」
「受ける為に俺を殺すなっ」
俺は可南子に向かって叫んだ。
「いいじゃんいいじゃん、大賞取ってアイスご馳走してあげるからさぁ」
「あのなぁ・・」

夏の午後、俺は可南子が公募の為に書いたという小説、というよりはゲームをやらされていた。
ちなみにプログラミングをしたのは鷹文で、絵を書かされたのはその友達とのことだ。
仲睦まじいことだが、勝手に人を題材にして、しかも殺されたんじゃたまったもんじゃない。
俺は無言で「永遠の愛の物語(実話です).exe」をゴミ箱に入れると、そのままゴミ箱を空にした。
「あぁちょっと何すんの!」
「鷹文、バックアップデータはどこだ」
「あぁそれならそこのカバンのな・・がっ」
「言わなくていいんだよバーーーカ!鷹文バーーーカ!!」
見事なチョークスリーパーが決まっていた。
「ケンカしたらだめだよー」
ともがいつもの様に割って入っていた。
「え、あ、ケンカじゃないから安心してねともさん」
可南子が額に汗を浮かべて言い訳をする。
この後の展開は何度も見ている・・というか俺たちも経験している。


746 名前:智代アフター脳内補完ハッピーエンド[sage] 投稿日:2005/11/27(日) 16:57:50 ID:4YHhJPpW0
「ケンカじゃないなら、なかよしのちゅー」
「「う゛っ」」
二人の声がハモる。
「あ、あのねとも、僕たちは仲良しだから、ちゅーしなくても大丈夫なんだよ」
必死の弁解。
「なかよしなら、ちゅー」
二人は諦めたように頷き合うと、ともを連れて風呂場の方に去っていった。
「俺たちのは散々見といたくせに・・・なぁ?」
俺は台所に立つ長い髪の彼女に声をかける。
「ん?なんの話だ?ずいぶんと楽しそうだったが」
「俺たちはもっとオープンにちゅーしような」
「・・・変態だ」
「お前の旦那だ」
「私の旦那は変態だったのか・・・」
「もう結構前からだけどな」
風呂場から3人が出てくる。
二人は顔を赤くしていた。
「パパー、二人とも、ちゃんとちゅーしたよ。なかよしだよ」
とものあどけない声。


747 名前:智代アフター脳内補完ハッピーエンド[sage] 投稿日:2005/11/27(日) 16:58:18 ID:4YHhJPpW0
3年前と、変わらないようで、変わっていく夏の日。

あれから3年が経っていた。俺は相変わらず廃品を直していた。
昔に比べればずっと腕は上がったと思う。
重機の免許もいくつか取った。
少しずつではあるけれども、俺は確実により良くなっていけていると思う。
鷹文は大学へと進学した、可南子はそれにくっついて行ったようだ。
今は隣町で、勉強に励む日々らしいが、それでも時折暇を見てはこうして遊びに来る。
まるであの日々が続いているように。
智代は高校を卒業すると、本格的に俺の家に住むような形になった。
もちろんちゃんとご両親への挨拶は済ませてある。
ともの母親は、昨年亡くなった。
智代はともを養子に迎えようともう一度俺に訴えた。
俺はその時もう成人していたし、生活も仕事もそれなりに安定していた。
もう、断る理由は見当たらなかった。
そして、それに合わせて俺たちは籍を入れた。
もちろん智代の両親は結婚にこそ賛成すれど、ともの事に関しては大騒ぎだった。
「これは私の家の問題だ」とは言われたものの、「これは、俺たち家族の問題だ」と説き伏せて俺も説明にあたった。
色々と大変だった。問題も山積みだった。これから先もまだ沢山の問題があるんだと思う。
それでも、あの5人で過ごした最後の夏が、あの経験が、俺たちを強く強く結んでいてくれる。
永遠はある、それは、愛であれ、人とのつながりであれ、家族であれ、何であっても、
絶対に、ある。
去年までの夏は、ともがいなかったから、俺たちは4人で夏を過ごした。
そして今年の夏は、6人で過ごすことになる。
少し目立ち始めた智代のお腹を見ながら、俺はこれからの日々を少しだけ想像し・・
「何ひとりでニヤニヤしてんの気持ちわるぅー」
「お前は俺の感動的な〆を邪魔すんなっ」

永遠に続く幸せはある、絶対に。