実家からの電話で目が覚めた。


実家の猫が亡くなったとの連絡だった。
一番聞きたくない話だった。


小5のときから一緒だった。随分と長生きだったと思う。
おっとりした性格で、顎の辺をなでてやるとゴロゴロと喉を鳴らした。
ゴージャスな容姿とは裏腹に、海苔と鰹節が好物という庶民派。
人見知りで、来客があると飛んで逃げ回っていた。
年に数回しか会えなくなっても、一応は俺のことを覚えてくれていた。
ご飯をくれる人と思っていたんだろうな。


安らかに。